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◆Dove Cottage

2017年6月のイギリス旅行記より。

この日は本当に朝から大変な1日でした。
[Hill Top](NT)⇒[Beatrix Potter Gallery](NT)⇒[Townend](NT)と
回り、最終目的地はここ、[Dove Cottage]です。

  1日に4つも・・・!!(*゚ロ゚)(*゚ロ゚)(*゚ロ゚)

私は1日に1プロパティを常としています。
多くてもせいぜい、1日に2つくらいまで。
それが4か所ですからね~!

狭い場所に点在しているとはいえ・・・。汗

しかし、旅程やら開館日やらの都合でどーしよーもない。

そして、最後に訪れたこの[Dove Cottage]は、これまで何度か訪れる機会が
あったにもかかわらず、その都度都合が合わなかったり時間が間に
合わなかったりでは入れたためしがありませんでした。

   今度こそ・・・!!

その思いは強く、正直次があるかわからない湖水地方(笑)、何が何でも
今回行っておかなくては!!という強い思いで乗り込みました。

時刻は4時10分過ぎ。
この後、Keswickまで戻り、夕食の買い出しをする予定。
なので、どうがんばっても30分くらいしか時間がありません・・・。

ところが、入場はフリーではなく、ガイド制(がーん!)だそうです。。。
我々には時間がない旨、チケットオフィスで訴えると、スタッフのおじさまが
ガイドに途中で私たちを解放するようアサインしてくれました。

170803.jpg

この小さな小さな家にWilliam Wordsworthとその妹Dorothyが
1799年12月20日に入居しました。
その時、ウィリアムは29歳、年子のドロシーは28歳でした。
彼らは1808年5月まで、この家で暮らしました。

2人は5人兄弟の2番目と3番目で、非常に仲が良かったそうです。
母は彼らが7-8歳の頃に亡くなり、地元の貴族の顧問弁護士だった父も
12-13歳の時に亡くなってしまいます。
男の子供たち4人は下宿して学校生活を送り、女児ドロシーだけは
親戚の家へ。

ウィリアムは長じてCambridge大学St.John's Collegeに進学し、1790年に
革命の嵐の吹き荒れるフランスへ渡り、若者特有の熱情で革命支持者と
なります。
やがて民衆の蛮行を目の当たりにし、徐々に革命熱は冷めたそうな。
1792年、フランス女性との間に娘を授かりますが、経済的に立ち行かなく
なり、1人でイギリスへ帰国。(彼らは正式に婚姻しませんでした)

1795年にドロシーとイギリス南部旅行中に、Samuel Taylor Coleridge
出会い、3人は意気投合。
コールリッジはこう書いています。

   "We were three persons, it was but one soul."

やがて、ウィリアムと2人で"Lyrical Ballads"を共同出版します。
その出版直後、反響を見る間もなく1798-1799年頃、兄妹はドイツへ。
コールリッジも別便でドイツへ出かけます。

小さい頃から少しばかり抑鬱傾向にあったウィリアムはこのドイツ旅行で
かなり鬱っぽくなってしまいました・・・。
それでも”The Prelude”という自伝的作品を手掛け出し、1799年12月には
イギリスへ帰国して、二人の生まれ故郷である湖水地方はGrasmere湖
近くにあるHamletにあった、廃業したInnを借りて住むことになります。

このローカルInnは[Dove and Oive]亭と言ったそうです。
本当に小さな小さな建物です。

170803-2.jpg

日本的に言うと、10畳あるかないかという空間。
Inn時代のメインルームであり、ワーズワース兄妹時代ではここは
[House Place]もしくは[Fire House]、つまり家の中心でした。

170803-3.jpg

その部屋の横にもう一部屋あり、ここは元々は妹ドロシーの寝室。
1802年にウィリアムが幼馴染のMary Hutchinsonと結婚してからは、ここが
夫婦の寝室になりました。

一角には珍しい家具があります。
これは左右に洗面台が取り付けられていて、木製の衝立をキャビネットから
引っ張り出して水避けにして使います。(左側、参照)
つまり、現代の洗面所の、ダブルシンクと同じ発想ですねー。

ガイドさん、ここでトレーに載った小枝を見せてみんなに聞きます。

「これ、なーんだ?」

すかさず、わたくし手を挙げて、

「歯ブラシ!」

ぴんぽーん。

19世初頭、人々は柳の小枝の先をブラシ状に裂いて、そこにミントと
灰などを混ぜて歯を磨いていたんです・・・。なんて原始的。

ちょっと興味が湧いて、わが日本はどうだったの?!と調べてみたら。
あらまぁ。
あまり、イギリスと違いはなかったみたい。

ところで。
メアリーとウィリアムが結婚する1802年。
この年、ドロシーとウィリアムはフランスへ渡っています。
フランスに残してきた元愛人とその娘に、今後のことについて説明をしに
行ったのでしょう。

その了解を取り付けたからこそ、メアリーとの結婚話が進んだのだと思います。

どういう取り決めかはわかりませんが、ウィリアムは結婚後もフランスの親子を
サポートし続け、娘Carolineが1816年に結婚するに当たっては年額30万円
(<現在の価値で)を以後20年間に渡って送り続けます。
つまり、総額で600万円。
これを多いと見るか少ないと見るかは各人次第ですが、時代的には愛人や
私生児を顧みない男性が多かったわけで、その中ではできることをやった方
ではないでしょうか・・・。←甘い?

170803-4.jpg

ここは[Kitchen]です。
ヴィクトリア時代の鉄製オーブンとか、木製シンクが入っています。
片隅には石炭置き場。
湖水地方の冬は凍てつく寒さですからね・・・。
一家の生命線ともいえる、大事な場所でした。

170803-5.jpg

この方が、ワーズワースさんですよー。

170803-6.jpg

2階からの景色。
二人が住んでいた時代、この窓からはグラスミア湖が見えたそうです。
今はもう、見えません。家が建ちすぎて。

170803-7.jpg

これは1837年に取得したウィリアムのパスポートです。
昔は冊子ではなくて、書状形式でした。

   身長:  166cm
   年齢:  66歳
   髪色:  灰色
   額:    禿頭
   眉毛:  白
   目の色: 灰色
   鼻形:   中くらい
   顎の形: 丸い
   顔形:  楕円
   顔色:  ふつう

写真のない時代ですからね。
人相はこうして、言葉で表現されたわけです。
これならスパイ活動も容易だったろうし、誰かになり変わるなんて簡単。
のどかな時代だ・・・。

170803-8.jpg

2階の一室、[Newspaper Room]。
ウィリアムはメアリーとの間に5人も子供をこさえます。その内、4人が
この狭い家で生まれています。
ここは子供部屋ですが、ここには暖炉がありません。
(当初は窓さえなかった)
この寒い地域に暖炉なしでは冬は眠れなかったと思いますので、
夏場だけの部屋だったのかな・・・?

ドロシーは寒さ対策として、新聞紙を壁に貼り巡らします。

170803-9.jpg

1800年6月25日の新聞。
何回か重ねて貼っているので、新聞の日付にも隔たりがあります。
この古紙の中に、1800年と1802年の、ウィリアムの何かの賞の受賞の
記事もあるそうな。(壁一面新聞紙なので、探すのは大変だと思います)

さて、我々はタイムリミットです。
ここでガイドさんが、庭へ出る扉を開けてくれました。
残念ですが、途中で切り上げるしかないです。。。
まだ雨の降る中、我々は一路、北へ向かいまーす!

| UK_2017 | 19:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

真木さん、こんにちは~!
日本はお盆休みですね。
真木さんは長い連休取れてます?
今年は最大何連休取れるのかしら???

ダヴコテージ懐かしい~
ヒルトップは空振りだったんですけど、こっちはちゃんと行けたんですよ(苦笑)
でも20年も前だとやっぱり記憶がかなり曖昧になってますね。
こんなだったっけ、、、って新鮮な気持ちで見てます(笑)
やっぱりもう一度行かないとダメですねー
記憶の劣化が激しい(苦笑)

それにしても1日4か所!よくまわり切りましたね。感心しましたよ!

| Saori | 2017/08/11 19:00 | URL | ≫ EDIT

お盆休み終了★

Saoriさん

ハロ~。
お盆休みって、ここのところ毎年、日本で一番暑い!!というのが
定説でしたが、今回は涼しいです・・・。
その前がギンギンに暑かっただけに、今はまるで秋の長雨状態。
Saoriさんの知らない「山の日」ができてから、最大だと8/20まで
休みじゃないかな~?
うちは製造系じゃないので、みんな五月雨式に取りますけど。

1日4か所!!
ね、すごいですよね。
私の中でも過去最大数です・・・。
おかげで各プロパティの印象が混じってます。。。(苦笑)
やっぱり、一つ一つをじっくり堪能する方がいいなぁ。

| 真木 | 2017/08/16 14:24 | URL | ≫ EDIT















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