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■Wilton

2016年6月のイギリス旅行記より。

さて、Salisburyのスーパーで今晩の食材を買い求め、一路B&Bへと
戻る途中。
Wiltonという町に差し掛かりました。
誘うような、

    "Antique"

の文字。←誘ってません!
寄らずにいられます?
まだ16時だし。(^^;

駐車場に車を停めると雨。あーあ。
しばらく車内でやりすごし、いざお店へ!!

だがしかし。
ああ、しかし。

お店は本気印のアンティークショップ(家具メイン)なのでした・・・。がくっ。

お呼びでない私は意気消沈。
町をぶらっとすると、そこにはこのような異様な教会が。

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    えと・・・。ここって、イタリア? (!? ̄Д ̄)

って、感じですよね~?

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このロマネスク的なファサードと言い・・・。
まるでイタリア。
[St Mary & St Nicholas]教会ですって。

入口で説明を読みますと・・・。

元々は15世紀に[St Mary's Church]が建てられたそうです。
それから400年間は割愛(ぉぃ)して、1845年に地元の大貴族である
Pembroke伯爵夫人とその息子Sidney Herbertにより、現在の姿に
建て替えられたそうです。

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うん、中もまるでイタリアかフランス。
カトリック教会みたいだよ。ぽかーん。( ̄Д ̄)゚Д゚)・д・)

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お堂守のおじさまがわざわざ電気をつけてくれました。さんきゅー。

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いや・・・もう・・・絵柄はVictorianなんですけど、雰囲気はビザンチン風
だし、ラヴェンナみたいよね?

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モザイクですよ。

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柱のウネウネしてるのはバロック様式。

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キラキラ☆彡

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ステンドグラスは古いものがインストールされていました。

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素朴。

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薄めの顔だち・・・?

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首チョンパ聖人さん、ダブルで。

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頭がなくても、頭の後ろにつく「光輪」(halo)はそのままなのね・・・。

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この方も。

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ほっ。首がちゃんとありますね。←そこ?

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首・・・ぎゃ、まただ!!今度は女性の首なし聖人!!

一説によると、斬首された聖人は120人以上(!)だそうです。
なので、これらがどちらの聖人さまたちなのかはまったくわかりません。笑

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こちら、この教会を修復したか創建したかの伯爵夫人(手前)と、
奥には息子さんのお墓です。

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息子氏のお墓越しに立派なパイプオルガンが見えます。

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こちらは母君の枕元。枕辺にアンニュイな天使像。
非常にVictorianっぽいですね。

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扉の彫刻は・・・イルカ、かな・・・。不気味な・・・。

お堂守のおじさんが「この教会、気に入りました?」とか、「わからないことが
ありますか?」とか親切に声かけしてくれました。

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私が、この大紋章はどの家のものかを訊ねると、

   「Herbert家、つまりPembroke伯爵家のものです」
   「この大紋章には彼らのシンボル獣、すなわち3頭のライオンが
   見えるでしょう?青と赤を半分に割った盾形にrampantです」

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これこれ、これがわかりやすいと隅っこの大理石の飾りを見せてくれました。
ははぁ、なるほど。
これがHerbert家の紋章なのね。

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この大紋章の左手(Dexter)にHerbert家の紋章、右側には奥方の紋章
(Sinister)が描かれています。
Mottoは"Ung Je Servray."、「仕えるはただ一人」かな?

それにしても、ぶちの犬(?)なのかしら、左側のサポーターの獣の奇妙な
柄と来たら!!カラフルな玉が付いてますよ!変なの・・・。

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私が紋章に異様な食いつき、興味を示したからか、おじさんはこれも
見逃さないでと教えてくれました。

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小さくてよくわかりにくいのですが、これは初代Pembroke伯爵夫人
Anne Parrと、同名の娘Anneのようです。
伯爵夫人はHenry8世の王妃の"lady in waiting"(女官)でした。
しかも、6人の王妃全員の!!エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?
(ちなみに、6番目の王妃Catherine Parrの実妹です)

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ということは、これはその夫君である伯爵でしょうか。

Pembroke伯爵はこの地に[Wilton House]という大豪邸を有しており、
その長い歴史の中では様々な王族貴族、文人、武官を生んでいます。

お堂守のおじさんによると、この教会がどうしてこういうスタイルになったかと
いうと、第11代Pembroke伯爵の2番目の夫人であり教会の建立者であった
Catherine Vorontsovが、Saint Petersburg生まれのロシア貴族であった
影響であろうとのこと。
彼女の父はロシアの駐英大使で、彼女が伯爵と結婚した際は、伯爵が49歳で
彼女は24歳だったそうです。
伯爵には従妹との初婚でもうけた、悪名高い息子がいました。
Robert Herbert、第12代Pembroke伯爵になる人物です。
彼はGrand Tourで出かけたPalermoで、シシリアの公爵令嬢であり、
Buteraの副王の未亡人であった12歳年上のOttavia Spinelliと秘密結婚を
します。
社交界はもう、大騒ぎ!

父伯爵やシシリア王国の人々は彼らを別れさせようと躍起になり、城砦に
閉じ込めたりしました。
彼はGenoaに逃亡しようと試みますが果たせず、父伯爵は息子に夫人を
捨ててイギリスに戻るよう説得します。

その彼を追って、今度は夫人がロンドンへ現れて居を構え、裁判所に彼女の
婚姻の権利を訴えます。
結果的に彼女は勝利を勝ち取り、年額800ポンドもの賠償を得ます。
(のちにこれは数千ポンドまで上げられました)

その後、彼らは二度と会うこともなく、同居することもなく、お互い
再婚することもせずに終わりました。

    そこに愛はあったの・・・・・・・?(--;

この大スキャンダル(当時としては)のせいでしょうか。
彼は父親の爵位と上院での議席は受け継ぎますが、一族の財産や地所の運営
については真面目な異母弟Sidneyが管理することになりました。
彼は後にParisへ移住し、そこで複数の内妻と私生児を生み育て、最後は
Père Lachaise墓地で眠ることになりました。

奇しくも、彼が死んだのは真面目な異母弟Sidney Herbertが亡くなった1年後。
順当にいけば、兄Robertから弟Sidney、そしてその息子へと受け継がれるところ、
結果的に兄から義甥George Herbert(第13代伯爵)へ爵位は受け渡されたわけです。
相続税的には大助かり、ですけどねぇ。。。

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この教会でもElizabeth2世の90歳の生誕を祝うコーナーが設けられ、

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若かりし頃の女王、

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戦後の物資の乏しい折での質素な結婚式(だったからか、ドレスがイケてない)、

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まだ下の二人が生まれていない頃の、ほっそりしていた女王夫妻。
女王はね、ほとんど9割以上、その血はドイツ系なのでね・・・。
どうしても太ってしまうのは致し方がないことですよね。^^;

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これで見終わったかーと思ったら、先ほどのお堂守さんが、わざわざ素敵な
回廊の扉を開いて通してくれました。

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すごーーーい。(@@;
柱石はコリント式、柱はバロック式。

大豪邸の城下町(?)の教会はたいへんゴージャスなのでした。

2 Comments

paprica  

No title

真木さーん、こんにちわ! 
真木さんって、絵や建築様式を見ただけで○○式ってわかっちゃうんだ~。すごいなぁ。ほんと、いつか、真木さんの後ろについて観光したーい!するぞー! で、色々と教えてください。
ロバートさんのイタリアでの恋。そりゃスキャンダルだよ~! 私は歴史というものがとっても苦手なんだけど、こういう風に話してもらえるとドラマが目に浮かんで「面白いなぁ」って思えます。 突然現れた日本人女性が興味を持って質問してくれて、お堂主さんも嬉しかったのね☆
今年の真木さんの旅も楽しみだなー。

ブログのデザイン、素敵ね~。好きです。

2017/04/28 (Fri) 03:58 | EDIT | REPLY |   

真木  

およ

papricaさん、

ヨーロッパの建築様式ってけっこう、わかりやすいんですよー。
大まかな特徴があるので。
ただ、気を付けないといけないのは「mock」建築ね。。。
日本でもあるでしょう、「古民家風」とか「江戸時代風」みたいな。

うぶな20そこそこのロバート坊やが、グランドツアーで出かけた先で
海千山千(?)の社交界のマダムに翻弄されるって、映画みたいよね。(^^;
しかし、一回り下のオトコを虜にするってすごい女子力です。
私にはムリだわ~。おこちゃま男、嫌いだし。

このテンプレ素敵でしょ?
ただ、スタイルシートの変更の仕方が今一つわからない私。
文字がうまく「ゴシック」で表示させられないのが残念です。

2017/04/28 (Fri) 11:11 | EDIT | REPLY |   

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