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◆Sissinghurst Castle Garden

2016年6月のイギリス旅行記より。

さて、今回の旅のメイン・イベント、[Sissinghurst Castle Garden]へと
参りましょ~!!

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Naokoさんは初めてなんだって。
私は・・・私は・・・久しぶりだけど、もはや数えきれないくらい何度も
訪れております。

訪れるたびに庭が違う景色を見せてくれるのは当然としても、ここは
ナショナルトラスト的にも「ドル箱プロパティ」なので、来るたびにいろいろ
変わっております。
カフェができたり、展示スペースができたり・・・。

駐車場から庭までの間に、わたくし、セコハン・ブックショップに捕まりました。
おほほ、獲物がありましたわ~!^▽^
・・・重いんですけど。これから庭をめぐるというのにっ!(←自業自得)

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入口の左手奥に見えるのは納屋。
その手前にはデイジーとバターカップの野原。

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これはビールの主原料、ホップを乾燥させるためのOast House。

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中央の入り口でチケットを見せて、いざや中へ!!

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す、すみません・・・・っ!
写真が傾いております。水平機能設定がカメラのどこにあるのか、
この時点ではわかっておらず。(^_^;

ここは作家であり、すぐれたガーデンデザイナーでもあった、
Vita Sackville-West (1892-1962)と、彼女の夫であり、歴史作家であり、
外交官でもあったHarold Nicolson (1886–1968)の屋敷でした。

彼らはVirginia Woolf、E. M. Forster、Lytton Stracheyなど共に、
いわゆる[Bloomsbury Group]に所属した過激なインテリ夫婦。
二人はどちらも両性愛的であり、お互いに「open marriage」を認め合い、
実際にたびたび、家庭外にそれぞれ恋人(多くは同性の・・・)を持ちました。

それでも、他者にはわかりえない繋がりを彼らは持ち続け、二人の息子を
もうけ、庭を整備し、長い年月を共に暮らしました。

ま、これだけ広大な地所であればねぇ・・・。
お互い、気に入らないときは会わずに済みそうです。笑
距離感、大事ね?

そもそも、この地所はサクソン人の養豚場だったそうです。
その後、後年18世紀になると七年戦争時のフランス人海兵3,000人の
捕虜収容所となり、劣悪な独房に押し込められたそうな。
で、そのフランス人捕虜がこの収容所を「城のようだ」(フランスの城の
地下牢みたいって意味か?)と言ったがために、それ以降、地所名に
「Castle」が付くようになったんですって。

その後は貧しい人々のための授産施設となり、19世紀の農業改革で
成功した農業施設となったそうです。

1930年代になって、実家のKnole城(こちらは由緒正しき、お城!)を
自らが女性であるという理由で相続できず、叔父に奪われた傷心の
Vitaがこちらを購入し、ここで理想の庭づくりに明け暮れることに。

彼らが購入した時、庭は野菜畑だったそうです。
それを、大いなる情熱でもって、わずか30年で名だたる名園と変えたのは
ひとえにVitaの才能と財力によるものでしょう。

では中へ・・・!

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温かみのある、濃い赤煉瓦の壁。

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建物の内壁に這わせた薔薇は、外よりも暖かいのでよく育ちます。

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"Paul Transon"、ランブラーローズです。

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こちらの赤い薔薇は、クライマーローズの"Allen Chandker"かな。

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オレンジのビール袋には重い重い古本が・・・。

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ボーダー花壇。

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左手奥には先ほど見た納屋へと続く、木陰の鬱蒼とした道が。

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"Astrantia major"が群生。

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大好き、セリ科の花は。
しかし、日本だとどうにもうまく育たない。
思うに湿気と高温がダメな気がする。

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はい、こちらはかの有名な"White Garden"です。

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Vitaが注意深く選び抜いた、白色の植物が植えられております。
真ん中には白薔薇のガゼボ。
ただし、この白薔薇(Rosa Mulliganii)はかなり遅咲きなので、例年7月の
声を聞かないと咲かないようです。
私の旅はいつも6月なので、この薔薇が咲いているときに出会えた
ためしがありません・・・。

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まぁ、他の白薔薇は咲いてますし、この白いアブラナ科っぽいの
なんだっけ?エピロビウム?

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ツゲのボックスの緑も美しく。

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Iberisもすてき。

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白花のNigellaも美しい・・・。
これまた日本では(以下略)。

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これはスコッチローズかなぁ?
小さくて、可憐だけどトゲが。

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白紫のコーンフラワーに、クリームイエローのアネモネ?かな。。。

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葉っぱもシルバーリーフが多い。
けれど、「絶対に白じゃなければダメ!」という感じではなく。
あくまで、Vitaの感じる「ホワイトの色調」に合ったものであればOK。

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庭はボックスのように区切られていて、箱から箱へ移動する際に通る
入口にも味があります。
ホワイトガーデンを振り返って見ると、こんな感じ。
額縁に入ってるみたいでしょう?

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この庭はこの塔を中心にして、区切られた庭が次から次へと訪れる人を
幻惑します。
ここは少し大きめのローンで、クローケーとかテニスとかもできたかも。

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左側の大きくこんもりしているのは、なんとモッコウ薔薇!!

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黄色のモッコウバラです。
トゲがないから扱いやすいけれど、匂いがないのがね・・・。

足元にはたくさんのクロボウシ(Aeonium)が。
イギリス人はこれ、大好きね。アクセントになるから??

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さて、さらに奥へ行きますと、片隅にはこのような水辺も。

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モクレンなどもありますし、なんとなく南国かアジアチックな感じ。

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小さな入口から、遠くのイチイのボックスが見えます。

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なんていう、パースペクティヴ!!
ザ・遠近法!って感じかな。

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たった今くぐったゲートを振り返ると、また違った景色が。
もう、どこをとってもフォトジェニック。
誰が撮っても、すてきな写真に。汗

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ジャーマン・アイリスやホスタ。

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ここはローズ・ガーデンです。

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オールド・ローズの"Mme.Lauriol De Barny"。
強香性の蔓薔薇で、いい匂い。

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アリウムやピオニーが植えられているボックス。

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この先には背の高いイチイのトピアリーがシンメトリカルにそびえ、
まるでエリザベス朝の庭のようです。

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男性的な直線。

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ここでいったん、塔の上へ上ります。

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螺旋階段をえっちらおっちら上るとこの景色。

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半円のステージ状の手前が薔薇園。

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丸い円の左手にまっすぐ伸びるのは、ハロルドの作ったLyme Tree Walk。

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ホワイトガーデン。
最盛期には真ん中の白薔薇のガゼボを中心に、真っ白になります。

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青空に映える、風見鶏。

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塔の中ほどにはVitaの書斎兼執筆部屋。←ザ・隠し撮り
ここなら、10日間くらいこもってもいいかも。。。

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地上に降りて。
大好きなGeranium。これは"Jubilee Pink"という品種らしい。

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斑入りのシルバーリーフ、濃い赤紫のアリウム、紫のアイリス。

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紅薔薇の手前には白花を持ってくる?

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ちょっと派手派手しいルピナスに、ブラッシュピンクの薔薇。

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オールド・ローズ、"Fantin Latour"。

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奥に見えるかわいい一重の薔薇はなんだろう・・・?

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これはイングリッシュ・ローズ、"Constance Spry"。

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この辺り、好みだわぁ。。。

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廃木材を利用したトレリスってすてきよね。
こちらはスウィートピーの"Painted Lady"。

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いい匂い。。。

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Kent州はイギリスでも大陸に近くて南側。…のはずが、さほど暖かくないのか?
まだまだピオニーも蕾だし、なんだか成長が遅い。
海に近いと涼しいのかしら。

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刻々と変わる天気。塔を中心に自分のいる位置を知る。

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いつも以上に、春が遅かったのか夏が遅いのか。
なんだか花が咲き進んでません・・・。少し、残念な感じ。

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デジカメで撮ると、もれなく赤系の色ってうまく再現できませんが
これまたひどい色合いだなぁ。

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実際はもう少し渋みがあったはず。

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クレマチス・モンタナ越しに。

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アプリコット色のジギタリスと、紫のデルフィニウム。

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こちらはハロルドの作った、Lyme Tree Walk。
非常にマスキュリンですね。
枝と枝がフランス式にエスパリエ(継がれて)されています。

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お。
このピンクの薔薇は。

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原種薔薇の一つ、"Rosa Villosa"、通称Apple Rose。
可憐です。

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花の匂いを嗅ぐしぐさが好きです。
庭は五感で楽しむもの。

長いので、続きます~

4 Comments

paprica  

真木さんのリポートを読む楽しみって、建物やお庭などにまつわる色んなエピソードを教えてもらえること♪ 私、歴史って昔からほんっと苦手で(何度も言いましたが)、とにかく人の名前が覚えられなくてその段階で沈没するのですが、真木さんのストーリーはとっても楽しい! 
しかし。このお屋敷の持ち主はパワーカップルだったのですね。それにどちらもゲイ?! その当時としてはとってもunconventional なご夫婦だったんだぁ。
お庭…きれい~。こういう真っ赤なバラも素敵☆ あ、Astrantia もこんなにたくさん!それにしても広い。。。写真を追いながらあれこれ見ているだけで目が回りそう!カーソルを何度も上下に動かしてお庭を行ったり来たりしてしまいました。コレだけのお花があふれていると、ミツバチの羽音もぶんぶんとすごいんじゃないですか? 
あぁ、本当に素敵。お昼休みにうっとりしちゃいました。

2016/10/19 (Wed) 04:31 | EDIT | REPLY |   

Saori  

こんにちは~待ってましたよー続き!
段々寒くなって木々も黄色や赤に色づいているロンドンですが、写真を見ると色とりどりの綺麗なお花たちがいっぱいで、あーこの時期が懐かしいーと思ってしまいました。
シシングハーストは見どころ満載、私も好きなトラスト施設の一つです。なかなか遠くて行けないのが残念です。
書斎、素敵空間ですよね。
私も将来自分の書斎部屋を作るのが夢なのです、、、本棚にぐるりと四方を囲まれた部屋、、、想像するだけでうっとりしちゃいますよー
ここでもまたまたお宝発見だったようですね!
お庭やお屋敷の様子も気になりますが、やっぱり私が一番見たいのはお宝だったりします(笑)
見せてもらえるのを楽しみにしてまーす。

2016/10/19 (Wed) 17:57 | EDIT | REPLY |   

真木  

unconventionalなカップル(たしかに!)

papricaさん

このお庭はね~、イングリッシュ・ガーデン好きには「聖地」の1つで
超が付くほどの人気なんですよぉ。
この地方へ行って、この庭を外す庭好きはいないです(断言)。
私は他の、もう少し玄人受けする庭を知ってますけど、ここは万人受け
すると思う。
1930年代にはエキセントリックだったVitaが作った当時としては
先鋭的な庭が、時を経ても古びないのが不思議です。
それだけ、センスが良かったということなのでしょう。

Vitaはゲイの恋人でもあった、ヴァージア・ウルフと比べると
文学的才能は今一つでも、庭造りには才能をいかんなく発揮してる。
彼女の書いた、庭の指南書はいまだに欧米では読まれてる本です。
なんというタイトルだったかな・・・。

もう少し晴れてくれると、写真映えするんですけどね。残念。^^;

2016/10/20 (Thu) 14:18 | EDIT | REPLY |   

真木  

お宝(笑)

Saoriさん、

お宝ですか?フフフ。お楽しみに!

書斎、いいですよね~。
実はわたくし、持ってます!でも本棚が足りない。。。
全面作り付けの本棚に憧れます。
床が抜けそうなので、1階に作りたい。。。<切実な問題

Vitaの塔の書斎はこぢんまりしていて、居心地度抜群なんですよね。
窓も小さくて、本のためには理想的。
ただ、夜本を読むには暗いかも~笑
欧米人はなぜあんなに夜目が利くのでしょうか?!
欧米化しているNaoko嬢は部屋が暗くても見えるみたいです。^^;
慣れ、かしら。。。

2016/10/20 (Thu) 14:22 | EDIT | REPLY |   

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