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◇Oxburgh Hall(2)

さて、【Oxburgh Hall】、続いては内部です。
※どうでもいいですが、ナショナルトラストのサイトが使いにくく改悪されてるーっ(--;


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お濠のあるプロパティってローマンティックですよね。
実用には向かないけれども・・・。濠掃除とか大変だし、虫が湧いたりしそう。

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この屋敷へ渡るには小さな橋一つしかありません。

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大きなツインタワーのゲートをくぐると、Courtyard。

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中庭から見るタワーゲートの後ろ側。
空が青い!

さて、いざ邸内へ。

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外側は建造時のスタイルをほぼ守っているものの、実は中は改修されまくり、
外の時代と中の時代はまったく別物です。
ここが歴史ヲタク(=わたくし)的にはちょいとがっかりポイント。。。

邸内の変更の第一段階は、第4代男爵(←若妻をBathで失った彼です)が
行ないました。
だいたい、18世紀後半頃のことです。

この部屋は[Saloon]。
中世以来のお屋敷の必須アイテムである[Great Hall]もぶっ壊したご当主は
古い屋敷の時代にKitchenであった部屋をSaloonに転用しました。
スタイルは"Neo-Classical"、すなわち、「新古典」主義

その後、第7代准男爵(←お母様がPaston家の相続人、莫大な財産を使って
屋敷を改修)も、部屋の飾り直しに手を出し、当時(19世紀半ば)流行だった
"Neo-Gothic"様式に変更。
同時に壁紙とカーテンも赤いシルクサテンのゴシックスタイルに。
ダイニングルームとして使用したそうです。
(ダイニングの壁に赤が好まれたのはポンペイの昔から)

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Jemes2世、かな。19世紀の複製画です。
4代准男爵はこの部屋をギャラリーとして利用しました。

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おや珍しい。これは上記の彼の中年以降の肖像ですねー。

元々、OxburghにはVan DyckKnellerといった有名画家の絵の
コレクション(現存せず)があり、壁に2列になるように(double hang)
飾られていたそうです。

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これは左右別々の絵を合わせたものらしい。
右のお嬢様の脇に黒人の少年の従者が見えますでしょうか?

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第3代准男爵夫人の遠縁の"Baroness Arundell of Wardour"の肖像画。
その膝上のワンコ。こういう細い犬、なんでしたっけ。
ウィペット?

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非常に高い天井からはクリスタルのシャンデリアが。

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きれーい。
掃除するのが大変そうですが・・・。
(キラキラする飾りは一つ一つ手作業で外して磨きました)

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ここには4台の樫のキャビネットがあります。
17世紀の彫像と組み合わせて19世紀にベルギーで製作されました。

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新しい部分と古い部分が合体しているので、ちょっと違和感。

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これまたゴシックスタイルのキャビネットだけど、新しい感じですよね。

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アイスクリーム、灯火を持ってる?

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うーん。

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これは17世紀半ばに流行したアントワープ製"Collectors' Cabinet"らしき物。
材質は亀の甲羅(べっ甲)や象牙など。
ただ、いくつかの点で19世紀のレプリカの可能性もあり。

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真ん中の小さなステージのような部分。
クネクネの柱がバロックっぽい。
たいてい、この奥に大事なものを隠す引き出しが付いているものです。
これは財産目録にも載ってない家具で、いったいいつ、どういう経緯でこの屋敷に
やって来たのかわからない模様。

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続くお部屋は[The West Drawing Room]。
フェミニンでしょう?
Drawing Roomとは女性用の居間です。
たまたま、むくつけきおっさんたちが立ってますけど。笑

元はハウスキーパーの部屋であり、ストックルーム、召使いホールでした。
ここも4代准男爵が改築し、さらに7代が19世紀半ばに改修。

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家族の思い出などを飾るディスプレイ用キャビネットがいくつもあります。

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竹をモチーフにした銀器。

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第5代准男爵夫人Charlotte Jerningham of Costessey。
かわいいです。変なターバンしてるけど・・・。
彼女がWilliam4世妃となったAdelaide王女の侍女を務めた関係で、
王妃から彼女たちの子供へ贈られたゲームなども飾られていました。

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ボードゲーム?

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シマウマの毛皮で作られた子供用シューズ。

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奥の[Library]と[Drawing Room]を繋ぐ小さな廊下には階段室があります。

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ドアの上には

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木彫りのエンジェル。
魔除け?

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Newel post、親柱。
ちょっとわかりにくいかもですが、この壁板は樫の樹ではなくて、
実はお安いpine材です。焦げ茶色の色を付けて、「なんちゃってoak」に
仕上げてあります。(経費削減?)

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エンボス加工されたレザーの壁紙。

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ハゲて褪色した部分は第6代准男爵令嬢Matilda嬢が手直ししたそうです。

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相打ちになってる二人の騎士。なんて不吉な絵だ。

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奥の子供はフランスの王太子っぽい服装ですが、誰でしょう?

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すごいRuff(襞襟)~!
立体的なシャンプーハットというか、拘束具というか。

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続いて[Library]でございます。
こちらは第6代准男爵が改修。
以前は寝室や朝食室があったところを図書室へ変更しました。

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1832年製の壁紙。

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チェス・ボード。
白の駒がヨーロッパの帝国主義国家で、黒の駒がアフリカの原住民。
なんて趣味が悪い・・・。

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石灰岩の炉棚には屋敷を所有した一族の紋章が5つ。
上の木彫の飾りは中世のもので、こういう重厚なのがヴィクトリア時代には
とてもロマンティックだと考えられて好まれました。

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トラの敷物。これまた悪趣味な・・・。

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これは問答無用に愛らしいですね~。
この家の子供と子羊?かしら。

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風刺雑誌、"Punch"のAnnual Collections。

さらに奥には[Dining Room]。

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ゴッテゴテの重厚感。これぞ、ヴィクトリア時代!という感じ。
ここは18世紀まではLibraryでした。

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水面が見えるのはすてきですね。

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ヴェネシアン・ガラスと思しき花瓶に蘭が。

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迫力。

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バトラー用のテーブル。

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古い彫刻のピースを使ってゴシック風にアレンジ。
猟銃で狩りをしていますね。

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北側の階段。

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チューリップと、金と空色。
このレザーの壁紙も重厚感。

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これまた19世紀のお嬢様が修復なさったそうです。

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階段の壁に掛けられた親子の肖像画。

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おかっぱ僕ちゃんの頭に置かれた手。スナップ写真風。

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どことなく和風な髪形(日本髪っぽく見えません?)。

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冠の付いた鳥さん柄のドレス。

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2階のコリドール。

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壁紙。
こういったテキスタイルが豊富に残っているのは好感持てますね。

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これも壁紙。黄色い明りに映えます。

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重厚。

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カルメル会の修道女姿。この家の娘で、初代准男爵の三女。
1673年に誓願し、後に小修道院長になったそうです。
こちらの一族は代々、カトリックなのです。

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[The North Bedroom]。

こちらのベッドの天蓋は"Frying tester"と呼ばれています。
わかりますでしょうか?

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普通、天蓋を支えるのは4本の柱なのですが、こちらのベッドは柱が2本のみ。
つまり、通常あるべき2本の柱がなく、宙に浮いているように見える天蓋なのです。
重そうな木彫りの天蓋を天井に固定することがないなんて、落ちて来そうで
コワイですよね・・・。しかもイギリスで組み立てられているんですから・・・。

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隙間の掃除が大変そう。笑

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祈祷用の椅子。

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左の女性は第2代准男爵の妹、Wetenhall夫人Elizabeth。
彼女は『Grammont元帥のメモワール』の中で、

「彼女は百合や薔薇のごとく美しく、その手脚や腕は蝋のごとく繊細で
雪やミルクのごとく白い。けれど、その美しさはまるで人形のよう。
自然は人形のような女性を生んだ。
彼女は幼き日より死を迎えるまで、乳白色のままだろう。」


と述べられています。
当時(17世紀半ば)、English Beautyの典型だったみたいですね。

[The Marian Hangings Room]。

ここにはスコットランド女王Maryの手製の刺繍のタペストりーが
飾られています。
Mary女王だけでなく、Beth of Hardwickという傑物のものも。
Bethは4回の結婚を通して、現代まで続くDevonshire公爵家の基礎となる
女性です。
これらは彼女たちによって、1569年から1584年までの間に作製されました。

なぜ、そんなものがここに?

実はMary女王はOxburghに一時期幽閉されていました。
(しかし、これはその際に作られたものではありません。)
第4代准男爵と結婚した女相続人、Mary Browneが実家より持参したのです。
彼女の実家は後に火事で焼け落ちますので、貴重な品物が消失するのを
この結婚が防いだ・・・のかもしれません。
夫人は長男出産後、まもなく亡くなります。
後に遺されたのは世捨て人となった准男爵のみ。←再婚すれば良かったのにネ

この歴史的なタペストリーは長い間、[The King's Room]のベッドを
囲むカーテンとして掛けられました。
Oxburghが売り出された後、タペストリーはNational Art Collections財団が
購入し、後にV&Aに寄贈され、V&AからNTへ貸し出されています。

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こちらはBeth作製の"Cavendish Hanging"。

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なんでしょうね?イグアナ?

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オタマジャクシではありません、雨です。

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てっぺんの枠には「Beth of Hardwick」のBH、真ん中のSは
Shrewsbury伯爵家を表しているのかな?

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こちらはMary女王のHanging。

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真ん中のMSはMary Stuartかな?それともMary of Scotland?
PとAはなんでしょう?

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これは有名な一場面ですね。
天からにょきっと腕が地上へ伸ばされ、その腕には鎌が。
葡萄の樹をぶった斬ってます。
Mary女王の個人的なエンブレムです。
Mottoにはこう述べられています。

  Virescit Vulnere Virtus(傷を負うことで強くなる?的な意味)

意味深ですね~。

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もう一つ、こちらもMary女王のエンブレムが。

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このマットみたいなものを複数製作して、地の布に縫い付けているようです。

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このMotto、なんだろう?Ingeni Largitor?

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これ、イノシシですよね?!

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オコジョかミンクか。

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10cmくらいの長さの刺繍用ハサミ。鞘付き。
Mary女王の持ち物だったそうです。

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古い時代のステンドグラス。

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なんでしょう?
生地を延ばす麺棒のようなものを持ってますけど。家庭内暴力?(違

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小さなステンドグラスに実に精密な絵が。

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左の旦那:On peut deguster?(試飲できますか?)
右のマダム:Oui, Bien sûr.(もちろんどーぞ!)

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馬上の騎士。
天気がいいので映えますね。

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さて、ここは[The King's Room]です。
位置としてはツインタワーの部分に当たります。

この名前の由来はHenry7世がOxburghに滞在したことによりますが、
実際にこの部屋で眠ったわけではないそうです。

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この彫像はなんちゃってゴシックではなくて、古いものだと思われ。

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この部屋の一角にはこの屋敷の主人たちが各時代の王家とやり取りした
古文書の数々がたくさんケースに入って飾られています。
これはその一つ。

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封蝋に描かれた国王の姿。

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書記が書いたとはいえ、実に美しいですね。
西洋書道のお手本のようです。

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わかります?
これは襞襟が特徴的な、あの方。

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一段目に大きくサイン。

     Elizabeth R.

Elizabeth1世のものですね。

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彼女は本もよく読み、たいそう知的であったと言われていますが、
サインのぎこちない下手字からするとあまり賢そうにも見えません。
ま、当時はまだまだ識字率も低いような時代ですしね・・・。
大目に見てやるか。←ナニさま?

あと、羽ペンというのは丹念にペン先を整えても字を一定に美しく書くのが
難しい文房具であったことも見逃せません。

そしてこの部屋の隅には有名な[Priest Hole]があります。

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まず、部屋の隅に小さなクローゼットルームがあり、

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その床下に秘密のドアがあります。
写真ではすでに開けられていますが、これを閉じると表面は煉瓦敷きの
床にしか見えません。

そして、この入り口の穴は50cm×50cmほどで、欧米人だとよほどスリムな
人か、子供でないと潜れないほど狭いです。
深さもけっこうあって、1m弱程度ありましょうか。
脚から穴に通して、ホース状の穴を滑り台から降りるように通り抜ける感じ。

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潜った先も狭い!
1m×1mくらいの窓もない空間にベンチシートがあるだけ。
気のせいか、空気も薄いような・・・。

さっさと退散。
すると、ここを制覇した記念(?)のシールを係の人からもらえます。

うーむ。
見ていると、子供と若者くらいしかトライしてませんね。。。
大柄な人はハマってしまいそうだし、身軽でないとちょっと難しいかも。
奈良の東大寺の柱潜りみたいなものかしらん?笑

ちなみになんのためにこんな隠し部屋を・・・というと、イギリスには
長いことカトリック教徒受難の時代がありました。
カトリック教徒であるだけで、様々な罰則や自由の制限があったり、
教育を受ける権利さえ認められなかったり・・・。

そんな受難の最たる時代、カトリックの宗教関係者は隠れ潜むしか
ありませんでした。この隠し部屋はそんな時代の遺構です。

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16~17世紀くらいの家具。
妙に座高が低い椅子ねぇ。

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能天気なワンコとスワンの木彫がかわいい。

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さて、お次は塔の上に出ましょう。
螺旋階段を上りますよ~。

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雲が出てきたなぁ。
数年前まではここからElyの大聖堂も望めたそうです。
現在では樹木が育ってしまい、見えないそうですよ。

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刺繍庭園はやはり、高いところから見下ろさないとね。

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この家の旗でしょうか。
たなびいてます。

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これで一渡り、見終わったようです。
なかなか見ごたえ十分でしたね。

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中庭へ出ると、古本屋を発見・・・!

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古本のブースに使われている部屋の暖炉の上の飾り。

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かわいい。
この獅子だけ見たら、日本のどこかの神社仏閣の飾りみたい。

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ここでゲットした古本とガイドブック。うふ。

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表へ出て、屋敷をぐるりと一周してみます。

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青い空~!
水面には睡蓮。

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船で対岸へ渡れそうですね。

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この一角は現在も准男爵一族がお住まいだそうです。
私はこのオリエルウィンドー内に老齢の男性を見ました。
彼が准男爵じゃないかしら。

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黄色い睡蓮って珍しいかも?

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ふーやれやれ。
まだ庭見物がありますよー。

| UK_2015 | 19:02 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こんにちは~これは見どころ満載すぎですね(笑)
最初の方で「おー」とか「これはすごい」とコメントに書こうと思ってたこと、最後の方まで読み終わったころにはすでに忘却の彼方に、、、(笑)
壁紙とかタペストリーとかが良かったなぁ。
あとゴシック様式のキャビネットも好きですね。
こういうの好みです。自分の家に置こうとは思いませんけど。
古本屋さんで買われた本のうち、ネコちゃんが王冠かぶってる表紙の本がすごい気になってます。カワイイー
昔ナメねこって流行りましたよね~?ちょっと思い出してみました。
お庭紹介も楽しみにしていまーす。

| Saori | 2015/11/13 19:52 | URL | ≫ EDIT

ふ~、お腹いっぱいになりますよね。^。^;
私にはこのお屋敷内部はちとVictorianすぎたのですが、
ゴシック・リバイバル好きなSaoriさんには楽しいかも。

猫の本、あれねぇ、本当はnaokoさんのご主人に送ろうと
思ったんですよね~。諸般の事情で時間がなくて、
持ち帰ってしまいましたが。笑

ナメ猫。
あは、懐かしい!!
昭和って、ファンキーでしたよね・・・今思うと。笑

| 真木 | 2015/11/16 10:25 | URL | ≫ EDIT















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