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■Long Melford

Lavenhamでお腹がいっぱいになった後、そう遠くはないLong Melfordへ移動。
目的はナショナルトラストの【Melford Hall】ではあるものの、まずは教会詣で
しませんとね。

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Village Greenから町の中心の教会を臨んで。

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おお~っ。
ホリホックとあじさい、クレマチスが満開。

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家の脇の狭い花壇ですが、いいですね、大胆な植栽だわ。

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セイヨウアジサイは日本のそれより花付が密ですね。

ところで、Long Melfordには珍しく、至近距離にお屋敷が2軒!あるのですよ。
一つはNTの【Melford Hall】であり、もう一つは個人所有の【Kentwell Hall】。

中世の黒死病を乗り越え、小農民の反乱鎮圧により独立自営農民が増え、
この町は15世紀初頭には羊毛取引で栄えました。
この規模の町には不釣り合いなほど大きな教会(まるで大聖堂のような)も、
その当時の町の裕福さを物語っています。

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左が【Holy Trinity Church】、右手は【Trinity Hosipital(=Almshouse)】です。
後で出てくる【Melford Hall】は元々、Bury St.Edmundsの司教の所領でしたが、
Henry8世による修道院解散の後、Sir William Cordell (1522–1581) が領地を
獲得しました。彼はHenry8世の娘、Mary1世やElizabethの御代に最高裁判所長、
下院の議長など重職を歴任した人物です。
その彼が1573年に創建したのがこの救貧院。

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大きいねぇ。
本当に大聖堂みたい。

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エントランスへの小道はイチイのトピアリー。
どちらから風が吹いてくるのか、一目瞭然。

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【Holy Trinity Church】はPerpendicular Gothicスタイル。
現存の教会の創建は1467~1497年前後ですが、当然それ以前から教会は
ありました。サクソン時代やノルマン時代の建造物は一部を除いてすべて
残っていません。いっそ、清々しいほど。

さて、新しい教会のファウンダーは【Kentwell Hall】の所有者であり、富裕な商人で
あったJohn Clopton氏でした。
彼はイギリスを二つに分断した薔薇戦争時、ランカスター派のサポーターであったので
1462年にはOxford伯John de Vereと一緒に反逆罪でロンドン塔に幽閉の憂き身に。
しかし、Oxford伯は国王大逆罪で処刑されるものの、Clapton氏だけは生き延びます。
しぶといね。

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この教会には中世のステンドグラスがおどろくほど良い状態で残っています。

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わかりますかね?
真ん中左手の頭巾の女性、Norfolk公爵夫人Elizabeth de Mowbray。
これをモデルにJohn Tennielが『不思議の国のアリス』の赤のハートの女王を
描いたとか。

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ひし形の鉄枠の中の緑色のガラスもきれい。

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ヴィクトリアンのステンドグラスはきれいだけど深みがないように思えます。
それはやはり、信仰心の度合いも関係してるんじゃないですかね。
中世の人にとって、教会建築・装飾は精神の救済にとても近い作業だった
はずだから。

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中世女性は生え際の髪の毛と眉を剃り込むのがおしゃれ。
夜見たら怖くてちびりそう。(旦那が)

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ヴィクトリアンの改装(改悪?)で撤去されることの多い、教会内部の
墓碑。たーっくさん残ってます!(好物)

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アラバスターに彫られた「東方三博士の礼拝」。
1350年製で、この教会建造より130年も前のもの。
なんと驚いたことに、18世紀に教会床下から掘り出されたそうです。

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見事にナインペッタン(死語)のマリア様。。。
彫りに大陸の匂いを感じますわ。
左手に立っている助産婦さんの足元に牛が2頭いますね。。。
馬小屋じゃなかったっけ?乳母牛かしらん?

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墓碑の貴婦人ブラス。
衣装はきっと、一族の紋章を表しているものでしょう。

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最近、作り直したみたいにピカピカ☆
William de Cloptoneさんのお墓。
彼は1436年にHadleigh市のマーケットのためにギルドホールや土地を
与えました。
その貸料は毎年紅薔薇を一輪、彼の墓前に備える条件でした。
これは現在まで続き、今でも市長は毎年、薔薇を彼に捧げに来るそうです。
すごい条件ですね。。。
中世より延々と続いているのがこれまたイギリスらしいというか。

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ここはなんだったかな~?
小さく仕切られていて、礼拝堂のようでした。

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色がかすかに残ってますね。

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【Melford Hall】を建造した、Sir William Cordellのお墓。(右手)
1581年、死去。
見にくいですけど、4人の女性像で囲まれています。
彼女らは彼の実在の娘を表しているのではなくて、

   Prudence(慎重)
   Justice(正義)
   Fortitude(不屈)
   Temperance(節度)

を象徴しているそうです。彼のモットーだったのかもですね。

他に面白いものは~。
これ。

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真ん中がRoger Martynさん。
Long Melfordの郷士、1615年8月3日に88歳(なんと!)で亡くなったそうです。

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左手が後妻、右手が前妻。
それぞれの下には四角いブラスがあり、そこには子供たちの姿があります。

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後妻との子供は男4人、女2人。

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前妻は男女各2名ずつ。
遺産は長男・・・でしょうけど、あまりに彼が長生きしたものだからもしかしたら
孫息子に相続されたのかもですね~。←余計なお世話

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こちらは真ん中がRichard Martin氏。(おや?Rogerの血縁か?)
1624年3月8日、65歳で死去。

彼を挟んで左右の女性の足元には赤子のブラス。
左から最初の妻、2番目の妻、3番目の妻。

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赤ちゃんは包帯で四肢をぐるぐる巻きにするのがこの時代の育児法。

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幼くして亡くなった子供のようです。
洗礼用の衣装を着けています。

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左の女性(最初の妻?)の子供はもう2人。
左手の女児は手に骸骨を持っています。メメント・モリ。。。
彼女は両親よりも先に亡くなったようです。

3回結婚した男性は2回、妻を亡くしてるわけですね。
女性は出産時に命を落とすことが多い時代ですからね。死は生より身近。

思いがけず見どころたくさんで長居してしまいましたが、いよいよ
【Melford Hall】へ向かいます。

| UK_2015 | 19:42 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こんにちは~!
お花がいっぱい、そして青空が綺麗な写真、、、あぁ、懐かしい夏~~~!
毎日曇天で寒くてもう冬本番って感じですT_T
ああ、、、憂鬱。朝も暗くて起きられないし、夏が恋しいです。
この教会すごいですね、大聖堂かと思いました。
これだけの規模の物を作れるって、本当に裕福だったのだな、と思います。
それにしてもこの時代に80代後半まで生きられた人がいたなんて驚きです。
長生きですねえ。
色々見どころ満載で、すごくいいところですね。
次のMelford Hallは行きそびれたところなので(開館時間前に着いちゃって、諦めて入らなかったのです)記事を楽しみにしています^^

| Saori | 2015/10/16 22:54 | URL | ≫ EDIT

夏は行っちゃいましたね~

>毎日曇天で寒くてもう冬本番って感じですT_T

あはは、Saoriさんの嘆きが聞こえてきますよ~。
東京もだいぶ秋が深まってきて、朝晩は寒いです。。。
でも私は湿度の高い夏より、パリっと乾燥した冬が好き!
それに、ロンドンと違って、東京の冬は青空が多いですからね。
曇天はいけません、曇天は。気分がめり込みますものね。

私、教会墓地を歩くのが趣味(←変な趣味)で、墓碑銘をよく読むんですが、
意外とね、幼い子供~20代前半で亡くなる人と、70代・80代まで
生きた人とに分かれるんですよね。
平均寿命が40半ばの時代でも、実際には20代までに亡くなるグループと
60まで生きるグループが多くて、それを平均すると
40代半ばになるってわけです。
子供・乳幼児の死亡率がとにかく高い。
あと、出産時の母親の死亡率。
解剖医ジョン・ハンターの本を読むと、さもありなんと
思いましたね。感染症への無知や衛生観念のなさ。
逆に子供時代を生き延びさえすれば、男性はおおむね
大過なく高齢まで生きられるわけです。

しかし、中には子供を18人も産んで、なおかつ80代まで
生き延びた稀有な女性もいて・・・。
驚きますね。驚異の生命力!!強靭な肉体!!

Melford Hallの一族にもそういう女性がいたような・・・。
お楽しみに!

| 真木 | 2015/10/18 22:33 | URL | ≫ EDIT















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