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◆Attingham Park

次の旅行が迫ってきているのに、去年の旅行記が終らない。うう。←いつものこと

さて、2014年のイギリス旅行より。
Shropshireにある、ナショナルトラストの[Attingham Park]。

1785年に初代Berwick(ベリックと発音)男爵、Noel Hill氏によって
建設されました。
この方、小ピットと呼ばれた英国首相William Pitt氏を助けた功績により、
男爵の位を授けられたわけです。(インド法の制定のために尽力した)

え?
小ピット、ご存じない?
時はジョージ3世(←Madness Gerogeと言われた精神的に脆い国王)時代。
ピットは若干24歳(!)で首相になります。24歳!ですよ?すごーっ
容姿端麗、頭脳明晰、女っ気ゼロ!という、少女漫画も真っ青な男子です。

この、綬爵されて初代Berwick男爵なったNoel Hill氏は有力貴族である
Vernon家の娘、Annaと結婚して3人の息子と3人の娘を得ます。
(この6人の子供たちが唯一、この屋敷で育った子供たちです。)

貴族として、近隣への体面もあって建てられたカントリーハウス。
設計はGeorge Steuartによる新古典様式、典型的なパラディオ様式です。

150519.jpg

中に入るとまずはGreat Hall。

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見にくいですが、わかりますかね?
柱は大理石・・・と見せかけて、ペイントです。
壁の肖像もすべてハンドペイント。
偽の扉などもあります。

これは何?
費用をケチって、本物の大理石ではなくフェイクにしたの?と思われるかも
しれませんが、これがこの時代の最先端の流行だったんです。
本物よりも高価なイミテーションとして。
遊び心、というんでしょうかね・・・。

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東側は女性的な部屋の区画です。
ここはDrawing Room。フォルテピアノ。5オクターブ半しかない。

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天井にはスフィンクス・・・かな?

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手前のDaybed(寝椅子)、これはナポレオン1世の妹カロリーヌのもの。
シャンデリアの清掃中です。
足場を組んで、クリスタルガラスを一つ一つ外しては磨き、元に戻すそうです。

150519-6.jpg

Salon。
内輪(?)の女性の集まりで使ったと思われます。
一角にはお茶の用意が。

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茶菓子がない。。。

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鍵付きTea Caddyの上に置いてある純銀製のTea Kettle & Warmer。
ケトルに注ぎ口が付いているのが時代ですねぇ。

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シャンデリアもきれい。

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この油絵、反射でわかりにくいですが、見えますでしょうか?
右手の山、噴火しています。
これ、有名なイタリアはナポリのヴェスヴィオ火山。
1787年の噴火の絵だそうです。
1787年・・・フランス革命の2年前です。18世紀を通じて、世界はちょうど現在と同じく
火山の活動期でした。
ヴェスヴィオも30年に渡り、何度も噴火しているし、アイスランドでも大規模な噴火、
日本でも天明の大飢饉を引き起こした遠因と言われるほどです。

この屋敷の人間はみな、イタリアに引き寄せられた人々で、イタリアの文物で
溢れています。
18~19世紀はGrand Tourが盛んでしたし、やはりイタリアの文化はバブル景気に
踊る田舎島国の貴族の心をつかんで離さなかったのでしょう。

噴火を描いた絵の割に穏やかな感じなのは、夜の景色であること。
満月がやさしく登り、噴火の炎でさえもマイルドに感じさせるからでしょうか。
この時代の噴火を描く人気のスタイルでした。
(ちなみにゲーテもこの1787年の噴火に遭遇しています)

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こちら、Boudoir。
(Boudoirとは女性用の私室のこと。公的な場所から逃れて、一人息抜きを
するためにある部屋。もしくはごく私的な仲間のみ入室できるスペース。
拡大解釈すれば、愛人と会う部屋?)

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天井にはキューピッドたち。

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壁面には優しい色合いのグロテスク模様。

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コロンとした、オールドローズのガーランドがかわいい。

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このフェミニンさが、東の翼棟の特徴。
対して西側は男性の領域。
マスキューリン仕様です。

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部屋と部屋の間の小部屋。(昔の建築では廊下はありませんでした)
上にはヴィクトリア時代に地主階級で流行ったモダン・アグリカルチャーの
追及で賞を取った牛たちの肖像画。
その下には「驚異の展示」ケースがあります。

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博物学的知識も大流行して、このように世界中の珍鳥を集めて剥製に
したり、貝や化石、好物の収集など。
なんでも博覧強記的に集めるのが流行ったんです。

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時を止めていて、ちょっとこわい。
この中でどれほどの鳥が絶滅したんだろう・・・。

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手前、ちょっとキョロちゃんみたいですね。笑

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Library。
先ほどまでの女性の領域と色の感じが違うのがおわかりでしょうか?
暗く、力強いイメージ。

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この本は3代目男爵のコレクションです。

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鍵の周りにホタテ。

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背表紙が読めない。

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この絵は初代男爵の父親の最初の妻と子供の絵です。
イギリスではこういうのを"Conversation Piece"(家族団らん図)と言います。
末娘にハーネスが付いているのが、イギリスっぽいですね。。。^^;

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Dining Room。
ここは屋敷の中でも一番大きな部屋になります。
壁は伝統的なポンペイレッド。
窓をすべて閉めているので非常に暗い。いにしえの晩餐会を想像させます。

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Butler用の配膳テーブルにはデザートのガラスの器がスタンバイ。
シャーベットでも出たんでしょうかね。

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とにかく薄暗いです。
キャンドルの明かりだけで食事って、想像もつかないなぁ。

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リージェンシー、ジョージアン時代の晩餐は何コースも出てくるヘヴィーなもので
あり、料理は味というより、スペクタル性や富の誇示が重要でした。
テーブルの上には飾りが所狭しと飾られ、シュガーでできた神殿やら飴細工など
それに生花や果物を盛りつけたり。

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うーん。
たいへんな時代だったのねぇ。

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実はこのお屋敷、ただいま屋根付近を修理中。
そのため、Picture Roomという有名な部屋は工事中で見られません。
現場にポツンと置かれていたのがこれら、肖像画。
国王Geroge3世。

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その妃、Charlotte。

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こりゃー、誰だろ?謎の紳士。

以上、Upperの世界でした。
続いて、今度は階下の世界。

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これは19世紀末にテナントして住んでいたカナダ人富豪が追加させた
キッチン部分。

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だいぶ、近代的。
ここなら働いてもいいかなー。笑

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オーブンもあるし。

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「魔女の宅急便」で出てきた魚のパイみたい・・・。

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上級使用人用の食堂。

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ベリック卿による、この屋敷の掟。

  1.清潔で礼儀正しいふるまいを厳守、上級使用人に命じられたら服従

  2.夏季は5-6時起床、冬季は6-7時

  3.食事時間は下記のとおり

    朝食: 8時  / 8時半(冬)
    昼食: 13時
    Tea : 17時
    夜食 : 21時

  4.いかなる時もたん吐きと罵詈雑言は禁止

  5.すべての使用人は日曜礼拝に参加するように

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House Keeperの部屋、だったかな。

150519-40.jpg

初代男爵の時代は何十人もの使用人で運営されていたこの屋敷ですが、
最後の8代目男爵の時代は4人。
この広い屋敷に、たったの4人。
回るわけありませんねー。

150519-41.jpg

Still Room。貯蔵室、でしょうかね。パントリーより大きいかな。

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瓶好きにはたまりません。笑

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ここで、レメディーや奥様のリネンパヒュームなども調合していたそうです。

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こういう感じの壁の色にしたかったんだけどな。ぶつぶつ。

150519-45.jpg

他にはペイストリーやゼリー系もここで作りました。
貯蔵室には貴重品もあるので、屋敷のメイドの中ではステイタスがある役目(?)かな。

あまりにも長くなったので、以下続く。

| UK_2014 | 01:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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