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■Kelmscott Manor

2009年6月の旅行記より。

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前記事の続き、【Kelmscott Manor】です。

     ※開館日:毎水曜のみ (他に特別開館日あり)
            11:00-17:00(受付10:30~) 2009.6月現在

駐車場の指示に従って車を停め、一路屋敷を目指します。
ところが標識がいいかげんなこともあり、なんだか心細くなるような道。
人も通らないしね。

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牧場にぽつんといたポニー。
このコ、ポニーにしても異様に脚が短くない??
こんなもの?

けっこう歩いてから、屋敷を発見!

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これじゃんね?

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有名なMorris氏のレリーフです。
よかった、合ってたのね、この道で・・・。

高い塀越しに屋敷を回ると、そこがチケット売り場のマーキー。
この屋敷へ入るのには時間制のチケットが必要です。
庭は自由見学。
チケット購入ブースには長蛇の列。
なぜならば、ヴォランティアと思しきおぢさまおばさまがモタモタとチケットを
さばいているので、ものすごーーーく効率悪し。
でも誰も文句など言わず、しんぼう強く待つ。

その列に、日本人の中高年のおばさま4人組を見つける。
思わず、ゲゲッ(;´Д`)と思う私。(すみません・・・つい、条件反射で!)
しかし、彼らはツアー客ではなく、個人で来ている模様。
英語もけっこう喋れる。感心する。
こういう方もいるのにねぇ・・・・と、わが母をチラ見するいぢわるなムスメ。

入場時間が一緒になった、このおばさま方。
みんなバラバラに見学していて、そのうちの1人が私が母に微に入り細に
うがち説明しているのを聞きつけたらしく、

    「わたくしもご一緒してもよろしいかしら?
     娘さん、お詳しいみたいで勉強になるわー!」

と乱入。(@@;
おい・・・、ま、いっか。
母と2人だと煮詰まるので、却ってこういう第三者はありがたいかもね?

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Arts and Crafts Movementの立役者であるWilliam Morris。
彼が妻Janeや娘たちと友人のDante Gabriel Rossettiと同居したのがこの屋敷。
そして、この屋敷は不倫の愛の舞台にもなるわけで・・・。
複雑な人間関係と、狭い田舎家。
(なにせ、Morris氏のベッドルームなんて部屋と部屋を繋ぐ間にあるくらい。)

濃密な空間。
私はちょっと息苦しく感じました・・・。
古い田舎屋敷ですから動けばギシギシという床。
人の気配が直接感じられる外界と遮断された小さな世界。
テムズ川にも近いだけあって、たびたび水が出て馬車の時代にはどこへも
行けず閉じ込められる日々が何週間も続くこともあったとか。

男顔で、私にはあまり美しく感じられないJaneですが、彼女は男たちの
美神として、妻として母として愛人として刺繍家として、この田舎屋敷で
暮らしました。

jane.jpg
(【ヴァーチャル絵画館】さんの画像をお借りしました)

Janeは貧しい馬丁の娘。
片や、Morris氏は有産階級の息子。
完全なる身分違い、玉の輿結婚です。
その美の力でもって、貧しい彼女が財産家のMorrisを射止めました。
2人が出会ったまさにその時、Morris氏の友人であり、画家である
Rossetti氏とも彼女は出会っていました。
恋に落ちたのはこの2人、しかし、結婚に漕ぎついたのはMorris氏。
なぜならば、Rossetti氏には当時すでに長く交際中のElizabeth(Lissie)
がいたからです。
(婚約不履行なぞということはこの時代、ありえませんでした。それは女性に
とっては破滅となりかねない、最後通牒でしたから。女性側からの破棄は
認められていました。でもLissieはRosetti氏を愛していたので別れを受け
入れるわけがありません・・・)

それでは、JaneはなぜRossettiとではなくMorrisと結婚したか?
Rossetti氏が(ほとんど)Lissieと結婚状態にあり、彼とは結婚できないこと。
この時代、貧しい女は結婚できても相手は同じ階層の貧しい男となります。
それでさえ、結婚して家庭に収まれればありがたいという時代です。
結婚できなければ、低賃金労働に甘んじるしかありません。
これは時には娼婦に身を落とす可能性もあるような、極貧状態を意味します。
独身女性は常に、このような恐怖と戦わずには生きられない時代でした。
それであれば、Morris氏のプロポーズは天から降った声では?
たとえ彼を愛していなくても。
彼女自身が後年認めたように、それは「生活のため、より良き生活を送るため!」
だとしても、誰が彼女を責められましょう?
そして、それはMorrisだって了解の上だったのではないでしょうか?
恋する2人なんて、周りはわかります。
誰と誰が恋愛関係にあるのか。誰がそこからはじかれているのか。
Morrisは男性ですから、Janeを法的に妻とし、その身体を所有することで
少しは満足が行くかもしれない。
一緒に暮らすうちに、Rossetti氏への淡い恋情は消え、自分を愛する
ようになるかもしれないという期待もあったかもしれない。
でもJaneは結局、終生その精神を手放さなかったのです。
財力という魅力に身を売りはしても、お金では心は買えない。
たとえ誠実な愛を捧げられたとしても、関心が他にある女の心を動かす
ことは至難の業です。
恋はするものじゃない、落ちるものですから・・・。
(ましてやMorris氏は滑稽なキャラクタで、女性に愛着を抱かせるヒーロー
タイプじゃない!)

この結婚自体が間違いだった、かもしれませんが。
この薄氷を踏むような関係から、Rossettiの数々の絵画(Janeをモデルにした
もの)やMorrisのファブリックの数々(Janeや娘たちは優れた刺繍家となり
ました)も生まれたのだったら、一概には否定しかねるものもあるかも。

それにしてもねー。
妻妾同居ならぬ、妻を取り合うライヴァルとの同居って・・・。(--;

この同居は誰にとっても居心地が悪かったらしく、Morris氏は妻とRossetti氏
の姿を見るのが辛かったのか、アイスランドへ長期旅行へ出かけたりして
います。
妻は妻で、夫が帰ってくると沈み込み塞ぎこむ毎日を送ったそうです。
かといって、友人であるMorris氏から妻を奪っているRossetti氏の葛藤も
ひどく、彼は神経衰弱を病みます。そしてそれを、Janeと娘がかいがいしく
面倒見るんだな、これがまた不思議な関係・・・。
娘はRossettiと母の関係をどう思ったのでしょう?
母に同情?
父に同情?
それともRossetti小父さんに?

100年前の家のあちこちに、当時の人々の生活の息吹、苦悩と困難、歓喜、
様々なものがひしめきあっている。
息苦しい~~~っ。(@@;

私の聴衆(?)たちはMorrisについてもArts&Crafts Movementにもまったく
興味は示さない(あはは・・・)けれど、Janeをめぐる三角関係には興味深々
であったことよ・・・。
おばさまって・・・。

どんなにすてきに飾ったところで、家庭に必要な安定感が欠落していたこの家は
なんだか不吉な感じがします。
庭に出るとようやく、少し息ができる感じ。

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ふ~~っ。
ここで件のおばさまと別れ、母ともいったん解散(?)し、庭を回ります。

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石塀の小道。
足元には、

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ワイルドストロベリーの茂み。わんさか生ってる。
うーむ、Morrisの代表的な壁紙[Strawbery Thief](苺泥棒)を思い越さ
せるなりー。
ベンチに座っていた女性が、「食べてみたら?」というので食べてみました。
けっこう、食べられるかも・・・。懐かしい味だわ。
ところが。
この道の誘導先は、

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かつてのお手洗いデス。
なぜに3つ?
並んでおしゃべりでもしながら・・・なんちて。

もちろん、現在は使用不可です!
覗くだけ~。
・・・って、ハッ!(゚д゚;)
(トイレ近くのイチゴの茂み=肥料は・・・?!<ウソ)

トイレ近くのベンチにはこんなコが。

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長毛で、いろいろなクズが身体に付きまくりの・・・長老齢猫。

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とにかく、動きが鈍い。

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屋敷の周りをぐるりと散策して、

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ふと立ち止まると、アイツがいる・・・。

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ぬぼ~~~っと。

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          ・・・ン?

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          にゃ、猫好きの臭いがするにゃ。

しばし撫でまくる・・・。
ごろごろごろごろごろごろ・・・・・。
うーむ、和む!

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最近よく見かける白いアリウム・ギガンチューム。

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・・・と蜂っこ。

小腹が空いたので、カフェでランチ。
屋敷から出た、小川に面したピクニックスペースにて。

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ラザニアとカプチーノ2つ。

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この日もかなり冷え込んでたので。
ホットチョコレートが良かったけれど、なんか粉のヤツっぽかったので
カプチーノにする。
味はけっこう美味しかった~。量は多め。2人でつつき合ってちょうどよい感じ。
写してないけど、パン付きでトータル11.00GBP(≒1,800円)。
ちなみに入場料(House&Garden)は1人8.50GBP(≒1,400円)です。

ここのギフトショップではMorrisグッズが購入できます。
母もたくさん、買い込んでました~。
イギリスで見るとすてきだなぁ~と思いますが、狭い日本の家だと圧迫感を
感じるのでMorris柄は苦手かも・・・な私なのでした。アハ。

| UK_2009 | 19:34 | comments:4 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

おっ

モリス氏のお家ってまだあったんですね~(ビックリ)
赤の家?ってのもありましたよね?
あれは違う地域?家の名前が違うかも(汗)
私、ロセッティのざくろの絵画を日本に来た時
観に行きましたよ。てーとぎゃらりーでしたかね?
キレイだったけどモリスの奥さんがやっぱしモデルだったらしいので
なんか複雑。
モリス氏に娘もいたんですね=
今も子孫は健在なのかな?
しかし、この庭でデッサンをしまくったんですね~
そーそーその苺のデザインは代表的ですもんね^ ^
あーつあんどくらふつ(笑)
大学で勉強しましたよ。、、そしてテストのお題だった -_- ;;;
真木さんもさすが勉強熱心ですね!

| しーら | 2009/09/19 22:22 | URL | ≫ EDIT

Red House

あちらは新婚時代の家です~~e-266
現在はナショナルトラスト所有。
フィリップ・ウェッブが設計建築した新築の家なのです。
良くも悪くもヴィクトリアンな建物・・・ですが、ここよりは
住み心地が良さそうであります。
なにせ、ロセッティ氏と同居してないし!!<赤い家
モリス氏は2人娘がいました。
一人は癲癇持ち、もう一人はモリス氏後年の社会主義運動にも
補助的活動をした娘さん。
二人とも独身だったハズ。
一家4人がケルムスコットにある聖ジョージ教会の墓地で、ウェッブデザインの墓石の下で
眠ってるんです。<あー、これ見てくるの忘れた!!
若い頃の勉強したことって、年取っても覚えてるものですよね・・・?

| 真木 | 2009/09/22 22:17 | URL | ≫ EDIT

ムスメっコは2人とも

親の3角関係を見ながら育って、金輪際御免被るっって思ってたのかもね?
それにしてもお詳しいっ。今度一緒に回らせてっ!下調べ完璧ドイツ人と旅行にいく便利さが。。。(笑)

| LE | 2009/09/23 23:20 | URL | ≫ EDIT

たしかたしか

娘っこどもが思春期を迎える頃(12~14歳)、親たちもこれじゃー教育上
ヤバイと思ったのかどうか?
お別れになったかと。
同居はほんの2-3年だったのでしょうね。。。
でもこの奥様は不倫相手のロセッティ氏の所へ一時的に出奔もしているので
家庭内は相当荒れ狂っていたと推察されます・・・。
>下調べ完璧ドイツ人と旅行にいく便利さ
あー、それよく言われます!
私もLEさんたちと地方を回りたいわ~~。
でもみなさん、いうこと聞いてくれなさそうだ・・・笑。
イギリス在英資格を問うweb試験があって、もちろん英語で書かれた設問なんですけど、
すごい簡単な問題でほとんど100点なの!
LEさんも簡単に解けると思います。たまに難問あり。
英語の問題でなければ5分で解く自信あります。笑
英語を読むのに時間がかかるのがねぇ・・・。
http://www.hiren.info/life-in-the-uk-test/1

| 真木 | 2009/09/23 23:32 | URL | ≫ EDIT















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